最初に:ヨガマットの種類には2つあります
ハーブヨガマットとは私たちが開発している、自然素材のヨガマットです。
ヨガマットには大きく分けて2種類あるのです。
一つは化学素材のもの。
これは一般に多く出回っているもので、化学工場で作られます。
例えば、PVC、天然ゴム、TPEなどがそれに当たります。
「ヨガマット」と聞いて、イメージするカラフルなものは基本的にこのジャンルに属します。
ここで、「天然ゴムも化学素材なの?」と驚かれるかもしれませんが、天然ゴムのヨガマットはゴム樹脂に硫黄やそのほかの化学物質を添加して作られています。
また、天然素材とはいえ、自然分解に多大な時間がかかります。
これについては以下のエントリーをお読みになるとよいでしょう。
そして、もう一つが自然素材のもので、植物や動物が素材となっているものです。
これは私たちが作っているハーブヨガマットや、羊皮のヨガマット、コットンのヨガマットがそれに当たります。
これらの特徴として、例えば、地中に廃棄したとしても一定の時間を経て分解され、自然へと還っていきます。
地球環境にやさしいヨガマットと言えるでしょう。
ハーブヨガマット開発秘話
ヨガマットに関する耐え難い疑問
私、宗冨美江は昔から疑問に思っていたことがあります。
どうして、ヨガマットは化学素材のものしかないんだろう?
ということです。
Googleで「ヨガマット」と検索すると、色とりどりの化学素材ヨガマットが並びます。
私はこの状態に違和感を感じていたのです。
特に化学素材のヨガマット特有の化学物質の「あのにおい」にはいつも面食らっていました。
そして、化学素材のヨガマットの肌触りも好きになれませんでした。
その原因を考えてみるに、私は化学製品の臭いや肌触りが子どものころから苦手だったことも理由の一つになります。
大人になった今だってなるべく化学素材の衣類は身に着けたくないと思っているぐらいなのです。
「そんなの過敏するんじゃない?」「気にしすぎだよ」「ただのわがまま」と言われれば、それまでかもしれません。
しかし、どうしてもその匂いや肌の感覚が気になるのです。
そして、気になったが最後、集中して坐法を行うことなんてできないと諦めてしまいます。
まして瞑想はもっと感度が鋭くなりますので、既存のヨガマットを使うことができなくなってしまったのです。
自分のためだけのヨガマットを作ろう!
自分の体の感覚を取り戻すのがヨガなのですから、その体が発しているメッセージを無視するのは間違っているんじゃないだろうか?
化学素材のヨガマットを使用するにつれて、いつしか、私はそう思うようになりました。
そこで、自分にとって最高のヨガマットを作ろうと、2011年のある日、私たち夫婦は一念発起しました。
その時、ホテイアオイという素材の敷物が自宅にありました。
この素材の上に坐っていると、懐かしい感覚が私に訪れました。
子供のころに坐った畳やゴザの質感を思い出したんです。
そこで、思い切って、そのホテイアオイのマットを自分専用のヨガマットに作り変えることにしました。
バンコクのサロンの軒下で家族総出でヨガマット作りがスタートしました。
まずはプライ、ワーン、ターメリックなどのハーブでヨガマットを染め付けたのです。
このヨガマットの出来は今思えば、いまいちだったかもしれませんが、その時の自分にとって一番しっくりくるものが出来上がりました。
こんなマットが欲しいの!?
2012年以降、私は日本に拠点を移して、ハーブヨガ指導を始めました。
その時には必ず、このヨガマットを会場に持っていき、必ず使うようにしていました。
すると、生徒さんから私の使っているヨガマットがほしいという声を頂いたのです。
これには驚きました。
あの臭いや触り心地が苦手だという人が自分以外にもいたんだと驚いたんです。
そして、自分一人じゃないという感覚は私のヨガマットへの思いをとても強くしてくれたのです。
タイの村落にて生産者と出会う
そこで私たちはこのヨガマットをもっとたくさんのヨガ実践者に使ってほしいと願い、もっときちんとしたものを作ろうと研究開発をスタートすることにしました。
まず、そもそも素材のホテイアオイについて調べてみると、この植物を有効利用することによって、熱帯や亜熱帯の国々の環境保全を促進することができることを知りました。
最初はタイの工芸だと思っていたそのホテイアオイによるものづくりは実は最先端の環境保全型産業だったんです。
そこで私たちはそのホテイアオイのマットを作っている村を訪れました。
たくさんの村人が出迎えてくれて、村はちょっとしたお祭り騒ぎです。
村をぐると回って、農地を見学し、ホテイアオイの作り方を体験しました。
そして、村落の職人さんたちと対話するにつれて、私たちはハーブヨガマットが環境保全に貢献できることに確信を強めたのです。
ホテイアオイの製品が村人たちの愛情をこめて作られていることに感動した私たちは、もっともっとこのヨガマットを広めていきたいと願うようになったのです。
勿論、制作にあたって紆余曲折はありました。
品質を確保するために試行錯誤を繰り返しました。
例えばサイズです。
従来のサイズだとどうしてもヨガマットにするには小さすぎたり、大きすぎたりしたのですが、彼らと協力することでヨガの坐法に最適なサイズを開発することが出来るようになったのです。
地球につながるヨガマット
そして、このハーブヨガマットを作ることで、もう一つ私が引っかかっていた問題がクリアされました。
それは既存のヨガマットは化学物質でできているため、生産から廃棄されるまでの間に沢山の化学物質を排出することです。
リサーチした結果わかったことですが、これは天然ゴムのヨガマットでも同じで、生産段階で熱帯雨林を切り倒し、排気ガスで工場周辺を汚染してしまいます。
しかし、このハーブヨガマットは自然素材でできているこのマットは廃棄しても大地に還ります。
このマットでヨガをしたのなら、もっと多くの人々が地球とのつながりを感じてもらえるだろう!
私はそう確信するようになりました。
※ハーブヨガマットが土壌分解されるかについては以下のエントリーをどうぞ!
http://chochogreen.com/ja/bio-degradation-art-with-5-yoga-mats/
聖域になるヨガマットを作ろう
村の生産者グループとの協力もあって、ヨガマットの本体部分は完成しました。
しかし、無地のマットのままでは何かが足りないと感じたのです。
日本の伝統には瞑想を深めるにはそれにふさわしい空間で行うという伝統があります。
例えば、私が子供のころから母親に習っていた茶道では、茶室の一つ一つのしつらえというものをとても大事にします。
茶花にしても、掛け軸にしても、シンプルながらも、必ず意味があり、そして、その空間全体で心を研ぎ澄ませるのが茶道の教えです。
これは東洋であれば共通の感覚で、インドに行っても、中国であっても、かならず聖なる場所には神秘的な装飾がされています。
「よし、坐法と瞑想を深めるためのアートをヨガマットに施そう!」
使う人が自分の坐法と瞑想を最高に深められるようにするために、私たちは瞑想とアートの関係について研究しました。
そして、私たち自身がヨガと瞑想を行い、「これは集中できる」「深められる」と実感できる文様を厳選していきました。
コンセプトはずばり、持っている人の聖域(サンクチュアリ)になるヨガマット!
その上に坐って深く呼吸をするだけで心も体も晴れ晴れとしてくる聖域のようなヨガマットを作りたいと決意したのです。
そして、私自身がヨガマットに施すアートを制作し始めたのです。
最初のころは禅の庭をイメージしたシンプルなヨガマットでした。
現在ではそれに加えて、自分自身の宝物になるヨガマットというコンセプトを掲げています。
インドのリボンやタイシルクなどの素材を使って、世界で一番、美しいヨガマットを目指しています。
ハーブヨガマットが完成
ついにハーブヨガマットが完成し、これを私たちの生徒さんにご紹介することになりました。
たくさんの方がこのヨガマットの上でヨガを行って、その新しい感覚を楽しんでいただけるようになりました。
日本中で愛用されている方が思い思いに使っていただいています。
ハーブヨガマットを
中にはアメリカから注文をしてくださる方も現れました。
ノースカロライナ州のブランディさんからは写真付きでメッセージを頂きました。
さらにはこのハーブヨガマットを制作するアトリエ工房&ギャラリーでもあるバンコクのサロンがアメリカのヨガメディアにも紹介されてしまったのです。
>>取材記事はこちら
自分のわがままで始めたヨガマットづくりでしたから、取材のオファーをいただいた時には驚きました。
そして、自然素材でできた自然に還るヨガマット、聖域になるヨガマットというハーブヨガマットの考え方は文化を越えて受け入れられるものだと感慨深く思ったのです。
※ここまでの内容は2017年8月に出版した「ヨガマット一枚の革命」という書籍にて紹介されています。
[amazonjs asin=”B074QVQ1SP” locale=”JP” title=”ヨガマット一枚の革命 – ヨガとアートを融合させる新世代のヨガマットの誕生秘話。日本の知恵で世界に新風を巻き起こす! アジアの女性をつなぐエコでアートでヨガな魂の冒険記。”]
東京で企画展「ヨガマット妖怪展」を開催
2017年8月には東京にてこれまでのアートを総まとめした企画展を開催しました。
名付けてヨガマット妖怪展というもの。
廃棄しても腐らない化学素材のヨガマットを妖怪に見立てて展示を行い、来場者に恵まれました。
こちらの企画展の内容の一部は東京新聞社にもご紹介をいただきました。
ニューヨークで企画展「ヨガマット一枚の革命展」を開催
さらに、私たちはアートとヨガの本場、ニューヨークでも企画展を開催することにしました。
なぜかというと、アメリカのヨガ人口は日本の数十倍以上だからです。
せっかくのハーブヨガマットをこの土地で知られなければ意味がない!と意気込んで、ニューヨークの3地域での企画展です。
ニューヨークではギャラリーでのハーブヨガマットの展示、ブルックリンのスタジオでの瞑想パフォーマンスあり、路上でのアートありの盛りだくさんの企画展となりました。
ニューヨークでの企画展は準備不足な部分もたくさんありましたが、それでもやれることは全部出し切ったとスッキリしました。
今、私たちはこのヨガマットを日本中に、そして、世界中に広げるための活動に今まで以上に取り組んでいます。
ハーブヨガマットの販売はこちらから!
全てのヨガと瞑想の実践者のために100%植物性のヨガマットを作る。これは国際ハーブヨガ協会を運営する鳥蝶のプロジェクトです。国際ハーブヨガ協会では世界中の様々な素材を吟味し、環境に優しく、途上国の人々を応援出来て、しかもファッショナブルで、使い勝手が最高に良いヨガマットを開発しました。それがハーブマットです。
とっても素晴らしい考えと、ヨガマットに対する熱い思いに共感します。
まだヨガインストラクター始めたばかりですが、このマットでするヨガはとても気持ち良いだろうなと感じるので、このヨガマット目標に頑張ろうと思いました。