YOGART 自然分解アート

アート動画の解説

ヨガマットを埋めて経過を観察しよう

第二章では色々な素材のヨガマットが登場した。

PVC、TPE、PER、天然ゴムといったものだ。

これらは化学製品なので見た目的にはどれも似たり寄ったりだ。

しかし、埋めてみたらどうだろうか?

そう、これらのうちいくつかは自然分解されます!と謳っているのだ。

きっと、埋めてみるだけで何か面白い発見ができるはず。

そして、私たちのハーブヨガマットも埋めてみることにした。

どうせ実験するなら比較対照するのは多いほうがいいし。

ハーブヨガマットだって埋めたら全然分解されないかもしれない。

そこで、2016年3月25日、私たちは屋上農園の一角の木箱の中に土を入れ、適当に切ったヨガマットを埋めてみることにした。

まずはチョキチョキとヨガマットの一部を切り取る。

埋める深さは5~6センチ程度。

作物も育てている屋上農園にはダンゴムシやヤスデなどの分解系の仕事人がたっくさんいる。

きっと、面白い結果になるだろう。

5カ月が経過して掘り起こしてみる

そして、約5か月後、8月18日の朝に掘り起こしてみてみることにした。

5か月もたっているんだから、そこそこ分解されているんじゃないだろうか?

ワクワクしてきた。

あれだけ化学素材のヨガマットを批判していたのに、こういう実験自体は楽しいものだ。

一つ一つを掘り起こしていくと、最初に驚いたことがあった。

それはハーブヨガマットが見つからないことだ。

げげぇ、カラスか何かがお宝と間違えて持っていったのだろうか?…と思ったが、よーく見てみるとハーブヨガマットに使われるホテイアオイの残骸がちらほら存在している。

どうやらただの土に還ってしまったようだ。

早すぎる展開に私たち自身もあっけにとられてしまった。

もう少し、土に還る経過を見たかったなーと残念になってしまうぐらいだ。

しかし、それ以外のヨガマットは原形をとどめていたので、土を軽く落としてもともと切り取った部分と比べてみることにした。

 

まずはPVC。

これは自然分解されない石油化学製品なので完全に原形をとどめていた。

弾力もそのままでちっとも変化していない。まだ坐法すらできそうだ。

 

次にTPE。

アースエレメントなんて謳っていたから分解が進んじゃっているかと思いきや、これまたキレイなまんまだ。

全然変化なし。

残念。

 

お次が天然ゴム。

これにはEKOだなんて印がついているんだから。

ECOな結果になっただろうか?

…これも弾力はそのままに何の変哲もない結果になった。

やはりEKOっていうのは雰囲気だけってことなのか?

 

そして最後にPER。

正確にはPERにジュートの繊維を埋め込んだものなので、自然度はより高いはず。

どうだろうか、一矢報いることができるだろうか?

確かにジュートが表面を覆っている部分のみ分解が進んでいた。

しかし、化学素材の方はというと他のマット同様、原型をとどめていて変化はなかった。

少なくとも、短期間で分解するとまでいえるのかはわからない。

 

というわけで、ハーブヨガマットがほぼ完全に分解されたのと比べると雲泥の差になってしまった。

結論は画像の通りだ。

うーん、ここまで差がつくとは思いもしなかった。

出来レースみたいで気味が悪い。

化学素材の中でもPER+ジュートは確かに分解のスピードが他のものより早いように感じたが、それはジュートが貢献していると考えた方がよさそうだ。

是非、「この実験をしてみたい!」という人がいたら、私たちに声をかけてほしい。

私たちの持っているヨガマットのきれっぱしを日本国内であれば無料で送ります。

あなたの庭やプランターに埋めてみて、経過を見てみよう。

あるいはずーっと屋外に出してみるのもいいかも。

どんなふうに変色するのか調べてみよう。

ただし、これは自然分解アートなので、あなたもその経過を他者とシェアしてほしい。

注記事項)また、ポイントとして記憶にとどめておきたいのは、実際の埋め立て処理はゴミをそのまま土壌に放置するというものだということだ。今回の実験では土に直接触れる形で埋めたけれど、それはあくまで理想的な状態だということ。通常、ご見通しで積み重なった状態で放置されるため、分解のための菌類や小さな虫たちに触れる機会も少ないだろうと予想できる。そのため、分解にかかる期間はさらに長くなることが推測できる。

※こちらの記事は拙著「ヨガマット一枚の革命」の記事から抜粋したものとなります。

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